場所は埼玉県入間郡某所

クライアントはご夫婦と小さな子供の3人暮らし。
ご主人は造園業を営み奥様は事務経理という共働きスタイル。60年前に祖父が建てた家で生まれ育ち、その10年後に父が倍の面積に増築、そして今回は若夫婦がリノベーションというなんともしあわせな家。家とはこうして受け継がれていくものなのです。「築35年をすぎた家には価値がない」と思う人、よく見てください。まだ保育園に通う小さな息子は4代目です!

外観は60年前には最新建材だったアルミサッシのほとんどを撤去し古建具屋で探した木製ガラス窓に交換、当時はモダンだったサイディング貼りの外壁は杉板に貼り替え。つまり60年前の新建材を撤去し、それ以前には当たり前だった伝統的日本家屋の風貌に意匠替えをして重厚感と風格を持たせました。また日本瓦はこの家には絶対必要な要素なので軽い補修程度としました。

しかし内部については伝統や格式とはほど遠い今の暮らしに合うようなスタイルに一新。和室2室と縁側、廊下のすべてを1室の広大なLDKに変更し水廻りもすべて交換。ヒノキの躯体はまだしっかりしていたがさらなる耐震補強を施し、断熱材も十分に充填し居住環境の向上も図りました。

十分すぎる庭の仕上げはプロフェッショナルであるご主人にお任せして次の訪問を待ちたいと思います。また敷地内には昔の養蚕小屋が残っていて「将来的にはそれをガレージに改修したいね」という計画もあり、まだまだ伸びしろがあるこの家から目が離せません。まずは家具や照明が入ったら一報ください!