場所は神戸市東灘区。地域の特性は把握しきれていませんが当該地域は区内でもひとつひとつの筆も広く、家の大きさにも余裕を感じるいわゆる高級住宅地のようです。

クライアントは30代ご夫婦と小さな子供の共働きスタイルで、ウチの存在を以前からご存じだったようですが遠方からの依頼は無理だろうとあきらめていたところ「神戸1号」の進捗を知ったクライアントは思い切って問い合わせをくれたわけです。「いいなぁ」「無理だろうなぁ」「あ!神戸でやってる!」「まずは連絡だ!」という流れ。

前述した通りワンランク上の高級住宅地に建つこの家はなんと再建築不可物件!いいですね。個人的には大賛成だし再建不可物件の大規模改修は法的にも問題なし。安く買って工事費のウェイトを大きくし自分たちらしく豊かに暮らす。そういうところに価値観を見出す人は一定数います。専門サイトもあるくらい。

それなりのダメージは想定していた古家ですが、解体してみると小屋組には立派な丸太梁が複数本掛かっていたかと思うと増築部の構造はいつ崩れても不思議ではない脆弱な架構だったりと歴史を感じる支離滅裂感。もちろん着工後の設計変更でいいところは見せつつ、悪いところは是正しつつ、できる限りのバージョンアップ。小屋を組み直したり減築したりもしましたが仕様についてはいつもの素材でウチらしさ満点です。

遠方から声を掛けていただけるとやはりうれしいですね。星の数ほどある設計事務所の中から500km以上離れたウチを選んでいただいたのかと思うと俄然張り切ります笑。それに安くない交通費を支給していただくわけですからそんな想いに応えなくてはいけません。顔合わせの時の緊張と不安でいっぱいだったクライアントの表情が設計→工事→完成の進捗とともに徐々に安心・満足の表情に変わっていったのがとても印象的でした。ありがとうございます!

神戸3号にも期待しております~