場所は鎌倉市内某所
ウチのご近所にひっそりと残っていた小さな古家・・・というかボロ屋。築年数も不詳です。内覧時、仲介業者にも驚かれました。
「え!更地にして建て替えではないんですか?こんな家、直して住めるんですか?」
「はい。もちろん」
その上、予算的にも非常にきびしい現場でした。優先順位として耐震・断熱・設備の一新は必須です。それと北鎌倉特有の湿気の多い地域故、防湿工事も是非とも行いたい。屋根の吹き替えはせず、漏水箇所のみの補修で対処。外壁については決してカッコいい風合いの状態ではありませんでしたが既存のまま。外壁を見ながら暮らすわけではないし、致命的な欠陥も見当たらないし・・・。将来的に是正が必要になった時、もしくは時間と予算に余裕がある時の対応で十分と判断しました。内装についても極力シンプルに。すべての壁は石膏ボードに水性アクリル塗装。
この家のアクセントになっているのはやはりスケルトンになっている天井でしょう。既存の天井をはがして現れた野地板や丸太梁をそのまま見せてしまう潔さ。天井高さが十分に確保されていれば天井裏の断熱は決して必要不可欠なものではないと考えます。そうすることで古家の持つポテンシャルは最大限に引き出せるはず。
ウチの仕事ではよく採用する手法のひとつです。