場所は船橋市内某所
四世代が住み継いだ築75年の古民家・・・つまり曾祖父が建てた曾孫の家。よってこの家に対する家族の思い入れも人一倍のようでした。
ウチのリノベーション工事の場合、古家付の土地を購入したクライアントからの依頼がほとんどなので今回のようなケースは稀です。現地調査の時はかなりの劣化が進行していました。傾いた床、雨漏り、開かない窓、朽ち果てた大谷石の基礎。まずは上屋のジャッキアップから・・・そして基礎の是正と耐震補強、断熱工事、防湿工事。
この家の中心には新たに土間を設けています。リビングとDKを隔てる6畳ほどの大きな土間。冬は締め切り前室扱いとし、それ以外の季節は風の抜ける心地いい空間。そしてメインの壁仕上げには大谷石をセレクト。アイキャッチとなるその壁は上品で落ち着いた印象です。建具は今の風情を残したいため既存を補修する程度に留め、そこに断熱効果のある障子を内窓として新設。新設した開口部には古建具をはめ込み違和感なく周囲に溶け込ませました。
施主は3人暮らしの若い家族。古民家をリノベーションして「和モダン」なんて陳腐な印象の家にしたくない・・・そして他にはない特別な家。インテリアに対する施主のこだわりも特別なモノでした。小物や什器は「和」とはかけ離れたインダストリアルテイストのものを中心にセレクトし、箱とは真逆の方向性のモノたちをセンス良く配置しています。
75才の家、再生完了!・・・目指せ100才!