場所は鎌倉市某所
久しぶりの新築案件です。クライアントはご夫婦ふたりと大型犬。ご主人は著名な写真家で奥様はその事務所スタッフという共働きスタイル。当初は古家・古民家物件を探していたクライアントでしたが、最終的には更地からの新築に計画をシフト。破格で手に入れたその土地に出会うまで一年を要しましたが、そこはザ・鎌倉と言える情緒豊かで観光客や車も入りこまない静かなロケーション。
計画地はいわゆる旗竿敷地。一般的には敬遠されがちな土地形状ですが私はスキです。プライバシーが保たれるし、アプローチの演出次第で毎日の出入りを気持ちよくすることができると思うのです。4m以上の車道に面している土地なんかよりも全然いい。デメリットとしては空地が少なくなるために引きの竣工写真が撮れないことくらい。笑
クライアントからの要望は「いつもの宮田さんらしく古家をリノベしたような家にしたい」「細かいテイストはお任せします」というシンプルなものでした。ウチの仕事では奇をてらうようなデザインはしません。
・外観は以前からそこにあったかのように
・平面構成はシンプルに
・立体構成は表情豊かに
・構造体は極力見せつつ
・仕上材は経年変化が味になるような自然素材を
というわけで、いつものウチの仕様でバランスよく仕上材を配置して、和でも洋でも新でも旧でもないミックス感を前面に。現場監督には「長年やってますがリビングに裸電球を吊ったのははじめてです(笑)」なんて言われましたが、まったく違和感はなくミニマルな機能美を感じます。
こちらの提案をすべて気持ちよく受け入れていただいた結果、上棟後は本当にリノベの現場のような感覚で楽しく監理することができました。ステキなおふたりに出会えたことに感謝します。これからも末永いお付き合いをよろしくお願いします!