場所は鎌倉市内某所
築36年の木造2階建てをフルリノベーションです。クライアントはご夫婦と2人の子供の4人暮らし。
敷地には裏山もあり少し歩けば湘南の海。子育てには申し分のない環境です。明るい前庭も十分ですが裏庭もしっかり確保されていて井戸や作業小屋まであって古家としてはフル装備。ずっと大切に使われていたようでしっかりとメンテナンスもされていました。とは言えやはり耐震補強は最重要課題。土間コンクリートをしっかりと打設し耐震壁もバランス良く配置。
設計当初、増築も検討しましたが現在の行政指針では増築行為が非常に困難。不可能ではありませんが時間も費用も手間もかかり、費用対効果を考えるとまず今回は既存部分のリノベーションを・・・ということになりました。インテリアの基本路線は我が家の雰囲気を踏襲しています。床は杉板・壁はラワン合板をアクセントにして水周りには磁器タイルをバランス良く配置。キッチンカウンターはメーカーの既製品ではなくシンプルな現場造作。お節介な装備は一切ありませんがキッチンとしての機能はこれで十分です。なによりもすべてを自分好みに調整できて価格も既製品の半値以下。既製品に頼らないオリジナリティの追求・・・家には必要だと思います。
やはり古いモノには、古いものしか持っていない力があります。それらを隠して「新築そっくりさん」なんて寂しすぎます。適材適所・創意工夫・・・日本の木造建築もまだまだ捨てたモンではありません。