場所は東京都多摩市。言わずと知れた東京のベッドタウン(住宅都市)で整然と並んだ大きな区画の敷地には新旧和洋の家が建ち並んでいます。
クライアントは以前鎌倉市にも住んでいた40代のご夫婦と小さな子供1人のご家族で、祖父母から受け継いだ築60年の大きな家の全面改修。
問合せをメールでいただき、調査に伺った時の印象は「上品でとてもバランスがいい家」。ただ古いだけの家ではなく「建築家がしっかりと考えて建てた家」ということはすぐにわかりました。しかし過去に施された増築やリフォームもかなりの年数が経っているようで劣化が目立つため、今回はいよいよ全面改修です。ただし自分たちが幼かった頃の面影もできるだけ残したいという要望もあったので古い木製建具や一部造作家具は可能な限り再生させました。
今回の改修で内装についてはウチらしく唯一無二の家に一新させましたが、外装については奇をてらうことはせずオリジナルに近い状態に復元するつもりでリデザイン。近隣に建ち並ぶツルツルピカピカの住宅にはない静なる存在感や圧倒的な風格を意識しつつ、その結果として整備された道を自転車で通り過ぎるお母さんたちに二度見される家になったのならそれに勝るよろこびはありません!
久しぶりに一緒に仕事をしたピースクラフトも実によく頑張ってくれました。もちろん施主も含めてすべての関係者には感謝の想いしかありません。ありがとうございました。そして完成おめでとうございます!