「福島なんですけど来ていただけますか?」そんなメールを受信したのはちょうど1年前。のんびりやっていたわけではないけど、あっという間に1年が過ぎてしまった。現地に行くとそこに建っていたのは築38年のまだまだ現役で若いけど丁寧に作られた家でした。それを二代目がフルリノベ。鎌倉から現場まで片道4時間、よく通ったなぁと我ながら思います。笑

クライアントは30代のご夫婦とまだ3才の子供の共働きスタイル。我が家とウチのこれまでの仕事をとても気に入っていただいて、かつ私のことも過去のブログやSNSを通してじつによく知っている笑。設計依頼の前には「このひと、どんな人なんだろう」ということが気になって当然だと思います。私もきっとそうします。そんなクライアントのために作った家は私からの提案のほとんどすべてを受け入れていただき、結果としてこれまでの集大成のような家になりました。2室をつなげてまるでステージのようにアイランドキッチンを置いて、中央にはコンクリートブロックの腰壁と薪ストーブ・・・完璧です。そろそろこれを機に一区切りつけて次のステップに行ってもいいのかなと思わせてくれた現場でした。

スケルトンの天井についての見解は様々ですが、「断熱しないなんてありえない」という答えが主流でしょう。しかし外気を完全に遮断?すべてを覆いつくして高気密?高断熱?体積を減らして空調効率を上げる?ホントにそれでいいのでしょうか?個人的には棟が高い日本瓦の家ならそれが必須ではないとも考えます。夏は暑くて冬は寒いわけで、多少のやせ我慢は必要だけど、家の担う役割としてもっと大切はことがあるのではと。ウチもそうですが冬は室内でライトダウンを着てます。真冬にTシャツ1枚で過ごせる家がステイタスだとは思いません。夏は風を通し、冬は空気を対流させて着込む・・・それでいいんです。

未確定情報ですが、お隣りにも空き家を所有しているクライアント。「数年後にそこを改修してカフェをはじめたい」のだとか。もちろんまだ依頼は請けていませんが勝手に期待しちゃいます。しかしそれまでは待てないのでその前に今度は友人として家族で遊びに行きます!薪ストーブの前で鍋でもつつきましょう。まずはおめでとうございます!